アーティストの野田洋次郎さんの演技が「自然で引き込まれる」と評価される背景には、音楽家として培った表現力だけでなく、俳優としての自覚と覚悟があります。普段は役者ではないと思っていた彼が、演じることに全身で向き合った姿勢は、多くの視聴者の共感を呼びました。この記事では、野田洋次郎さんのその演技の魅力と背後にある姿勢を、作品と発言から探っていきます。
野田洋次郎は音楽家であり俳優
人気バンドRADWIMPSのボーカル
野田洋次郎さんはRADWIMPSのボーカル兼ギタリストで、作詞作曲も手がける音楽家として知られています。
1985年生まれ、東京都出身。2001年に結成したRADWIMPSでボーカル、ギター、ピアノを担当し、全作品の作詞・作曲も手がける。2005年にシングル「25ｺ目の染色体」でメジャーデビュー。2012年にはソロプロジェクトillionを始動する。
https://natalie.mu/music/pp/theparades03/page/2
SNSではRADWIMPSの楽曲に対する愛のあるコメントが多くありました。
役者として出演作品
そんな野田洋次郎さんは、俳優としては映画『トイレのピエタ』で主演デビューし、新人賞を受賞。
主な出演作品
- 『トイレのピエタ』（2015年） – 主演・園田宏 役
- 『リップヴァンウィンクルの花嫁』（2016年） – カメオ出演
- 『犬ヶ島』（原題：Isle of Dogs）（2018年） – 声の出演・ニュースキャスター 役
- 『泣き虫しょったんの奇跡』（2018年） – 鈴木悠野 役
- 『キネマの神様』（2021年） – 若き日のテラシン 役
- 『わたくしどもは。』（2024年） – 音楽関連として関与（出演・関連作品）
【筆者の見解】
音楽と演技という異なる領域を横断する彼には、表現者としての共通する基盤があると感じます。
野田洋次郎は演技が上手いと好評！
演技が上手いと好評
そんな野田洋次郎さんの演技の評判はどうなのか気になりますよね。
実際のSNSの声を見ていきましょう。
アーティストとして広く知られているからこそ、『なぜ演技までできるのか』という驚きの声が多数ありました。
俳優からも絶賛される演技力
そんな野田洋次郎さんは、視聴者だけでなく俳優からも絶賛されています。
テラシンを演じた小林稔侍氏は、「同じ役を演じた野田洋次郎さんとは、お会いした時に直感で同じ精神の持ち主なように感じ、過去と現在で同一人物を演じる上で、繋がっている部分を感じられたことが嬉しかったです。彼の演技は生っぽくて、思わず見入ってしまうほど良いお芝居。素敵な若い頃のテラシンの姿でした。」と語っている。本当にその通りで、おふたりが演じるテラシンは紛れもなくテラシンそのものだった。
https://cinema.ne.jp/article/detail/47356
また、記事の筆者はアーティストとして活躍する背景を踏まえてこのように語っています。
なぜそのような演技ができるのか。それは、彼は単なるシンガーソングライターではなく、”圧倒的表現者”だからなのではないかと思う。歌を通して数多くのアウトプットをしてきた延長線上に演技という表現があるだけで、彼としてはおそらく自然にやってきたことなのだ。
https://cinema.ne.jp/article/detail/47356
【筆者の見解】
野田洋次郎さんはアーティストとして天才ですよね。そんな強みである繊細で豊かな感性が存分に演技で発揮されているのではないでしょうか。計算された演技よりも、偶発的なリアルさを感じさせる彼のスタイルには、音楽家ならではの“素”の魅力があるようです。
野田洋次郎の演技が好評の背景は役者としての自覚と覚悟！
役者ではないと思っていた
しかし過去には、野田洋次郎さん本人は「自分を役者だとは思っていなかった」と語っています。
「RADWIMPS」のボーカル＆ギターとして絶大な人気を誇りつつ、2015年に主演映画「トイレのピエタ」で俳優デビューした野田。ドラマ「100万円の女たち」で連続ドラマ初主演を果たし、NHK連続テレビ小説「エール」では窪田正孝演じる主人公・古山裕一と友情を育む役どころで存在感を発揮した。俳優としても華々しく活動しているが、本人は「これまでは、自分を役者だとは思っていなかった」と告白する
https://www.musicvoice.jp/news/200961/
こういった気持ちを赤裸々に語るところからも、野田洋次郎さんの嘘のない自然体な性格が垣間見えます。
演じる覚悟
そんな中で日本映画界を代表する巨匠、山田洋次監督最新作『キネマの神様』に出演。
その際に、演じる覚悟が生まれたようです。
しかし「もう、そんなぬるいことを言っていられない。監督から緻密な演出を受けて、“演じる”ということの面白さも教わった気がしています。山田監督の現場を経験して初めて、“役者だ”と言っていいのかなという気持ちになれた。それくらい大きな出来事です。山田監督が、役者としての僕に全力で向き合ってくださった。それもとてもうれしかった」と本作は、役者・野田洋次郎としての転機となった様子だ。
https://www.musicvoice.jp/news/200961/
【筆者の見解】
監督の作品に対する想いが、アーティストとしてこれまで作品に対して取り組んできた情熱と重なり共鳴する部分があったのではないでしょうか。また、役者としての訓練が無くても、心で役に寄り添おうとする覚悟が、説得力ある演技を生んでいるのでしょう。
音楽への影響
そんな俳優経験を通じて、感情や人間の機微を演じたことで、音楽表現にも深みが増したとの見方があります。
また野田洋次郎さんは下記のようにもコメントしています。
――俳優業は音楽の扉をもっと広げてくれますか。
それはあると思います。改めて自分は音楽家だなと気付かせてくれますし、スタジオに戻った時の安堵というか、自分の居場所感もそうですし、音楽は基本スタジオという密室の中でひたすら自分の中と格闘している感じなんですけど、俳優業は自分の外側。いろんな人がいて、初めましての人と面白いものを作るんだという感じです。内側と外側が交互に入れ替わる感じですごく面白いです。
https://www.musicvoice.jp/news/200961/
【筆者の見解】
演じることで得た感覚が、歌詞や曲の表現に還元されている—演技と音楽が相乗効果をもたらしているようです。
野田洋次郎の演技が上手いに関するQ&A
Q&A
Q1：野田洋次郎の演技が自然と評される理由は？
A1：演技に「お芝居をしている感じ」がなく、「そこらへんに実在していそう」と感じさせる自然さが評価されています。
Q2：俳優としての転機は？
A2：『キネマの神様』出演時、小林稔侍さんの空気感を意識して演技したことなどが、自身の演技スタイルに大きく影響しました。
Q3：野田洋次郎は自分を俳優だと思っていた？
A3：本人は「自分を役者だとは思っていなかった」と述べ、演じることへ自覚が芽生えたと語っています。
Q4：演技は音楽活動にどう影響？
A4：演じた経験を通じて感情表現の幅が広がり、音楽にも深みが加わったと評価されています 。
Q5：関係者や共演者の評価は？
A5：関係者からは「想像以上」「非常にいい」と高評価。また、菅田将暉さんも「俳優としての新しい引き出しが見えた」と絶賛しました 。
野田洋次郎さんが俳優として高く評価されるのは、音楽表現で培った豊かな感性に加え、「自分を役者と思っていなかった」謙虚な自覚と、「その役を生き抜く覚悟」が根底にあるからです。演じる際に共演者の雰囲気を取り込もうとする姿勢や、自然な感情表現は、視聴者に強い共感を与えています。また、演技経験が音楽活動にも深みを加えており、彼にとって演技と音楽は相互に刺激し合う存在です。今後も野田さんの表現者としての進化が楽しみです。ここまでお読み頂きありがとうございました。
